アマルガム(水銀)が生体内で害となるメカニズム

 

水銀は重金属の中でも、生体に最も致命的な影響を及ぼす

知能発育不全や脳性麻痺、視力喪失などの神経発達障害、自閉症との関係も報告されている

硫化水銀を熱して発生した蒸気を冷却・凝集すると水銀(液体)が得られる
水銀蒸気は毒性が強く、肺に入り込むと呼吸困難や腎障害が起き脳神経にダメージを与える

 

水銀には大まかに言って2種類ある

・有機水銀 炭素と水銀が結合した化合物 (直接結合) 
・無機水銀 水銀イオンとイオンが結合したもの (イオン結合)

 

 

有機水銀

水俣病の原因となったメチル水銀は有機水銀
*メチル水銀: メチル基が結びついている化合物の総称

有機水銀は脂溶性であり、アミノ酸のひとつであるシステイン(Cys) に結合
腸壁から吸収され、リンパ液を経由して細胞膜を通過し、腎臓、肝臓に蓄積される

血液関門や胎盤などのバリアーも通過するため、脳や胎児に容易に移行する
よって、神経障害や発達障害を引き起こす事が知られる

特に、胎児の発育中の脳はメチル水銀に対する感受性が高いため、
妊婦はメチル水銀を摂取しないよう強く推奨されている

通常、体内に蓄積された水銀はに尿、糞便、頭髪から排泄されるが、
滞留期間や排泄能力は個人によって大きく異なる

 

無機水銀

歯科用アマルガムに使用されるのは無機水銀

一般的に、無機水銀は生体に無害と認識されている
しかし、歯磨きペーストに含まれるフッ素や口腔内バクテリアへの接触、腸内細菌の作用で有機化してしまう事が知られている

無機金属は水溶性?

無機水銀化合物には、水銀蒸気、水銀塩、水銀イオン化合物などがある
体内では、細胞内外で、タンパク質分子の一部である硫黄(元素記号:S) と結合しやすい性質を持つ

血中タンパク質と結合すると、全身を巡って身体ダメージを引き起こす

 

歯科用アマルガムの体内への侵入経路

アマルガム侵入経路

 

 ⇒ 臓器別の影響