アマルガムとは?

images (2)アマルガムとは、一般的に歯科用修復剤のアマルガムの事を指す

歯科用アマルガムは、水銀と他の金属との合金から成る

水銀に、銀、錫、銅などの金属加えて精製されるもので
銀35%、錫9%、銅6%、微量の亜鉛などを含み、
全体重量の半分以上は(約40~50%)は水銀が占める


1970年代をピークに、1980年代まで(現在でも)、
国内は基より、米国をはじめとする海外でも、一般的な歯科治療用の充填材として使用され続けて来た

日本では、2013年 現在でも保険適用がなされる

一般歯科医の間で、アマルガムの危険性や全身に及ぼす影響、
歯科材料として導入された背景を明確に把握している人は僅かなようで
30~20代の現役世代に至っては、歯科大学の教育課程および臨床現場において
アマルガム合金の生成方法、アマルガムを用いた充填経験が全くない医師も存在する

 

国内でアマルガムを使用している歯科医院は殆ど無くなってきているものの、
取扱い・除去方法に関する安全性の確保や疾患との関連性については、依然論議が繰り広げられている


平成18年2月 日本歯科医学会 答申書には、

Ⅰ.歯科用材料の使用に関わる医療ならびに自然環境への影響について として、
アマルガムが健康に及ぼす影響、臓器中の水銀量についての報告がなされている

真意の読み取りが難しい文章だが、結論から言うと、
「歯科医など日常的に水銀曝露している者は、体内水銀量は多い事を認めつつも、疾患との関連性は総じて低い
米国国内でも使用は認められているが、実際の所、両国で使用量は激減しているので問題ない
先の判断は将来を担う医師に任せる!」

とお茶を濁している感がある

 

2006年 (平成18年)日本歯科医学会 答申書
http://www.jads.jp/news/060210.pdf

同答申書では、
アマルガム修復物(充填材料)が口腔内での咀嚼や諸薬剤の使用を通じて揮発・溶出すると言及

職業性曝露の危険性が高い歯科医師の場合、尿中水銀量は被験者対照群の4倍以上であるものの、
殆ど全ての歯科医師は健康安全局の規定値以下だと指摘している

職業性曝露がない場合、健康被害を訴える人々の血液成分及び尿中水銀量は正常レベルであり、
水銀中毒症状あるいは有意な水銀の取り込みみ認められないことから、
アマルガム修復物からリリースする水銀がアマルガム疾患の原因であるという仮説は支持されず、
患者に対する処置はアレルギーおよび心理的要因に焦点を絞るべきであるとの報告がある

多発性硬化症との関連性についてはさらなる研究が必要であり
アルツハイマーあるいはウィルソン病に関しては症例不足であった

腎毒性の観点からみると、歯科用アマルガムは水銀毒性を高める可能性があり充填剤としては不適当である

妊娠中のアマルガム修復と低出生体重との関連性について調べた報告では、
低出生体重の危険性を増大する根拠は見つからなかった

自閉症の子供達の初散髪から得られた毛髪中水銀濃度と母親のアマルガム修復物、抗Dヒト免疫グロブリン注射、魚摂取量および幼年期のワクチンとの関連性について調べた報告によると、
自閉症患者の毛髪中水銀濃度は健常者よりも有意に低い値であった…

自閉症群では34%も母親が10歯以上のアマルガム修復物を有するが、健常者群ではその割合は18%であった
平均毛髪中水銀濃度は重症な患者ほど低かった

…自閉症群は少なくとも健常者群と同程度の水銀曝露を受けたにも関わらず、毛髪中水銀濃度に低下を認めたことは、解毒機能が健常者よりも劣るためであり、水銀排泄が毛髪中水銀濃度と関連性を有するならば、自閉症群の脳を含む組織中の水銀濃度は健常者群よりも有意に高いであろうと述べている

 

更に、2004年 に米国で発表された ライフサイエンスリサーチオフィス(LSRO)より発表された
「歯科用アマルガムの有害影響についての文献解析報告書」を引用

…歯科用アマルガムと腎、あるいは認識機能障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、自己免疫疾患、多発性硬化症との関連性を支持する科学的根拠は不十分であり、アマルガムによる健康影響は、稀なアレルギー事例を除けば殆ど存在しない
と述べている

Review and Analysis of the Literature on the Health Effects of Dental Amalgams 
http://www.lsro.org/amalgam/frames_amalgam_report.html

 

アマルガムの本場 アメリカ歯科医師会の見解は、
歯科用アマルガムは高い安全性を誇り、信頼できる実績がある」としている

American Dental Association (ADA)
Statement on Dental Amalgam 
http://www.ada.org/1741.aspx

一方で、米国環境保護局は
歯科医院がアマルガムを一般廃棄物として出す事への危険性を認識 
水銀ガンリュウアマルガムの廃棄に関する覚書を提示している

U.S. Environmental Protection Agency (EPA)
http://water.epa.gov/scitech/wastetech/guide/dental/index.cfm

 

また、世界保健機構も、歯科用アマルガムの生体に対する危険性に警鐘を鳴らしている
医療現場や工業用に用いられるアマルガムを正しく破棄する事についても言及している

World Health Organization (WHO)
http://search.who.int/search?q=Amalgam%E3%80%80&ie=utf8&site=who&client=_en&proxystylesheet=_en&output=xml_no_dtd&oe=utf8&getfields=doctype

 

 ⇒ アマルガム(水銀)が生体内で害となるメカニズム